マサチューセッツ工科大学(MIT)教授 マイケル・ダーツゾス4

    CONSORT
   

 限定核戦争は当たり前だと考える人々の唱える現状と比べて、少々楽観的に過ぎる気もする
のだが、話がだいぷ横道にそれた。本論に戻って、ダーツーゾス教授の研究について語っても
らおう。
3〜4年前まで最も関心のあったのは、物理的プロセスをコンビュータで制御(コントロー
ル)するということだった。その中でも、高水準の言語を使って、マイクロ・コンピュータを
コントローラーとして使えるような、プログラム作成の技術を開発することが目的だった。
例を振リ子の運動にとろう。動いている振り子を静止させるという壮事があって、これを普
通のエンジニアにやらせると、まず連続的なモデルを使って問題を解き、ごれをプログラムに
翻訳する。まあ4〜5ページのプロダラムができるだろう。
 これをまったくの初心者にやらせると、たった四行のプロダラムを作る。だが、振リ子は止
まらない。この初心者が優秀なら、加速度の勉強をして、最終的には振り子が止まるようなプ
ログラムを書くだろうが、かなり長いプログラムになると考えてよい。
私の研究のテーマは、例えば加速度をも考慮に入れて、これこれこういうアプローチでこの
問題を解きたいのだという作戦を高水準言語で与えればヽこれを機械が自動的にプログラムに
翻訳できないかというものだった。
事実ヽCONSORTという言語を開発して、効率のよいコードを得ることに成功した。も
ちろん振り子は止まった。この研究で難しかったのは、リアルタイムのスケジューリングの問
題が入ってきたからだ。つまり、いくら問題が複雑でも、コンピュータはいわば一つ目小憎で
ある。したがって、重要性に応じて、目を向けるところを変えなくてはいけない。プログラム
の設計者はこれを、機械語アセンブリー言語で行うが、その代わりに高水準言語を使いたい
と思ったわけだ」
画期的な成果だそうだが、素人目には、進行中の分散システムについての研究の方がおもし
ろそうに見える

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グーグルが絶版本をデーターベース化をおこなっています、このブログの載せている「顔のないコンピュータ」
1984年に秋葉忠利氏が当時の最新科学者を取材して書いた本であり、秋葉忠利自身も、コンピュータの研究者
でした。この本を全て掲載していきます、25年も前からどんな未来を予測していたかをお楽しみください。