2009-01-01から1年間の記事一覧

秋葉忠利著書  時の座標 

アメリカ人とのつきあい方 3章 アメリカの年中行事 時の座標 アメリカ人はよく「あの年のクリスマスには何をしていたのだろう」とか、「今年はサンクスギビングから クリスマスまでがとても短かかった」といった表現を使います。祝日や年中行事が骨休めや充…

秋葉忠利著書  卒業 

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール 卒業 事実、アメリカの高枝生活の一年を通していちばんエネルギーが爆発するのは、春から夏に かけてのころ、夏休みの直前なのです。アメリカの北部の冬は長くつづくので、春を待ちこが…

秋葉忠利著書  デート 

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール デート もう一つ、現在の日本の高校でも考えられないものにダンス・パーティ(英語ではふつう 「パーティー」をつけず、「ダンス」と言います)があります。月に一度くらい開かれますが…

秋葉忠利著書  スポーツ

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール スポーツ アメリカの高校生活でもスポーツは大切な位置を占めています。もちろん、スポーツ をする学生は多く、日本の「部」に相当する組織に属しています。ただし、季節によって 参加す…

秋葉忠利著書  アメリカの授業

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール アメリカの授業 さて、授業中の教室の様子ですが、先生の板書を片っ端から生徒がノー卜に写す 日本のやり方とはまったくちがっていました。宿題は教科書の何ページから何ページまで 読…

秋葉忠利著書  テスト

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール テスト それぞれの課目にはもちろん試験があります。試験も学期末に一度だけではな く、1学期に何回も行われ、課目によってはクイズとよばれる小テストが毎日、 授業のはじめにあったり…

秋葉忠利著書  私の時間割

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール 私の時間割 ドクター・グロースンと相談の結果、私がとることにした課目は、私が1年間しかアメリカに いないせいもあって変則的でした。 1学期目は、最初の時間が社会科、この時間は…

秋葉忠利著書 ハイスクールの1日

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール ハイスクールの1日 はじめてEPHSに登校したのは9月8日のことでした。学校はすでに前日からはじ まっていたので、私は入学式、そして始業式には出席できませんでした。とはいって…

秋葉忠利著書  アメリカの学校

アメリカ人とのつきあい方 2章 エルムウッド・パーク・ハイ・スクール アメリカの学校 アメリカの学校はだいたい9月が新学期で、6月の卒業式の後、夏休みに入ります。大 学になると、ハーバード大学は10月に始まり6月に卒業、タフツ大学は9月早々に始ま…

秋葉忠利著書 アメリカ人とのつきあい方 2エルムウッド・パーク・

色・形・音・におい エルムウッド・パーク・ハイ・スクールに入って一番驚いたのは、周りに いる同級生がみな″アメリカ人″だったことです。生れて初めてアメリカ で受けた授業は、社会科でしたが、それが終って次のクラスに移動するた め教室を出た瞬間、廊下…

*アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の日々

家族旅行 家族全員で行った旅行といえば、日本では小学校5年のとき浅草からポンポン 蒸気に乗ったくらいですが、サマーズ家では月に一度くらいは家族全員で「遠出」を しました。たとえば、秋には『ウエストサイド・ストーリー』のシカゴ公演を見に行きまし…

アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の人々

* ディスカッション サマーズ家では、食事時の一家団らんのほかに、食後の片づけを終えてからも、 いろいろな社会問題について夜遅くなるまでよくディスカッションをしたものです。 サマーズ夫妻とスティーブ、それに私の4人とも、社会的な関心は強いほうだ…

アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の日々

父親の役割 アメリカの親子関係は30年のあいだにこのように変化しています。親の権威も薄れて います。しかし、基本的にはアメリカの親子関係はまだまだ健全だと思います。とくに、 日本の家庭と比較するとこの点がはっきり浮びあがってきます。私の身近のア…

アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の日々

*シャペロン パーティーの席にお酒がある点は30年前、私がシカゴの郊外エルムウッド・パークで 経験したパーティーとはずいぶんちがっています。クリスのパーティーでは、両親が シャペロン(監督者)として会場にいたのですが、最近の高校生のパーティーで…

*アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の日々

未成年の飲酒 たとえば、私の家の真向いには、プラマー一家が住んでいます。プラマーとは家庭の ガス・水道設備の配管や修理などを専門にする仕事です。手作業で時間のかかる 仕事ですから収入は悪くありません。プールもあり、かなり裕福な家庭です。 そこ…

アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の日々

親の権威 このように、アメリカの家庭では両親が規則を決めて、子どもはそれをきちんと守る という姿勢が最近でも残っています。ときにはそれが、権威主義的な押しつけのように 映ります。対して日本の家庭では、親が子どもにたいして、なぜそういう規則が必…

アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の日々

消灯時間 食後は、自分の部屋に戻って勉強をすることがふっうでした。授業も宿題も全部英語な ので時間がかかりました。けれども、夜11時になると、かならずダッドが寝る時間になった ことを告げに2階に上がってきたものでした。 「そんなに勉強ばかりしてい…

アメリカ人とのつきあい方 1 サマーズ家の日々

家事の分旦 さて、家のなかのいろいろな仕事にはとうぜん親がやるべき仕事もありますし、子どもが やってあたりまえの仕事もあります。たとえぱご2年前まで私が住んでいたアーリントンの 家には表と裏に芝生の庭があります。その芝生の刈込みはかなりの仕事…

アメリカ人とのつきあい方 1サマーズ家の日々

夕食時 夕食前には、子どもたちがテーブルをきちんとセットすることになっていました。家庭に よっては、もちろんダイニング・テーブルがいつも出ているところもあるでしょうが、それ ほど広くないサマーズ家では、まずダイニング・テーブルを部屋の真中に据…

アメリカ人とのつきあい方  1 サマーズ家の日々

兄弟げんか 朝、家を出るときのあいさつも「行ってきます」「行っていらっしゃい」でなく、 “ See you later.” や “ Have a good day.” ですし、帰ってきたときには、 “ Mom,I'm home.”だったり、“Where is Steve ?”だったりします。親からの問いかけも “ How…

アメリカ人とのつきあい方  1 サマーズ家の日々

忙しい朝 朝は忙しいので階下に下りてきた順に台所で朝食を食べました。マムやダッドは スティーブと私が階下に下りてくる前に朝食をすませていました。 アメリカ式の朝食は、まずジュースを、それからコーン・フレークスなどのシリアルか、 ホット・ケーキと…

アメリカ人とのつきあい方  1 サマーズ家の日々

一日の始まり サマーズ家での典型的な一日は、ラジオのコマーシャルからはじまりました。 スティーブが、そのころの日本ではまだ珍しかったクロック・ラジオを持っていて、 朝の6時45分になると、コマーシャルにつづいて、WBZ局のニュースと 天気予報…

アメリカ人とのつきあい方  サマーズ家の日々

サマーズ家の人々 1950年から60年代にかけて、私たち日本人のもっていたアメリカの 家庭像はすいぶん偏見に満ちたものでした。・・・・・大きく広い家のなかには 電化製品がそろっていてたしかに便利だけれど、アメリカの親たち(とくに母親)は 自分勝手で…

アメリカ人とのつきあい方 プロローグ

アメリカの本音 エルムウッド・パークでの一年間の高校生活から8年たった1968年、こんどは大学 院生として、東海岸のボストンに留学しました。それ以来、1986年の夏に日本へ 戻ってくるまでの20年近い歳月を、私はアメリカで暮すことになりました…

アメリカ人とのつきあい方 プロローグ

ホスト・ファミリー 飛行場には、その後一年間お世話になったサマーズ夫妻と子どものスティーブが車で 迎えにきてくれていました。 飛行場からサマーズさんの家まで車で約20分ほどでした。エルムウッド・ パークは入ロ2,3万の小さな町です・ニレ(英語で…

アメリカ人とのつきあい方 プロローグ

氷川丸でシアトルへ 私かはじめてアメリカヘ渡ったのはいまから30年ほど前、1959年9月のことです。 まだ飛行機の旅かそれほど一般化していない時代でした。 私たち約60人の日本の高校生は、AFS留学生として1年間、アメリカの 高校生活を体験するために渡…

アメリカ人とのつきあい方 秋葉忠利著

はしがきプロローグ 氷川丸でシアトルヘ ホスト・ファミリー アメリカの本音Ⅰ サマーズ家の日々 サマーズ家の人々 一日の始まり 忙しい朝 兄弟げんか 夕食時 家事の分担 消灯時間 親の椎威 未成年の飲酒 シャベロン 父親の役割 ディスカッション 家族旅行Ⅱ …

アメリカ人とのつきあい方 秋葉忠利著

しばらくお休みしていました。 さて、広島市長、秋葉忠利の著書の紹介、第2弾は1989年に岩波書店から出版された岩波ジュニア新書「アメリカ人とのつきあい方」です。 はしがき これは、28年前、一年間のアメリカ留学を終え、再び日本での高校生活を始めた…

秋葉忠利著書 “顔”を持ったコンピューター  対談

″人間がより人間的″であるためにコンピュータとは何だろう コンピュータ・科学・芸術・数学・文化・社会について語り合った、画家と数学者の対話 画家●安野光雅 タフツ大学准教授●秋葉忠利 どんな人間に近づくか(3) 安野 コンピュータがなくちや困るとい…

 秋葉忠利著書 “顔”を持ったコンピューター  対談

″人間がより人間的″であるためにコンピュータとは何だろう コンピュータ・科学・芸術・数学・文化・社会について語り合った、画家と数学者の対話 画家●安野光雅 タフツ大学准教授●秋葉忠利 どんな人間に近づくか(2) 安野 私はボタンに頼るタイプじゃない…