アメリカ人とのつきあい方 プロローグ

         ホスト・ファミリー

 飛行場には、その後一年間お世話になったサマーズ夫妻と子どものスティーブが車で
迎えにきてくれていました。
飛行場からサマーズさんの家まで車で約20分ほどでした。エルムウッド・
パークは入ロ2,3万の小さな町です・ニレ(英語ではエルム)の多いことから、町の名が
つけられたそうなのですか、サマーズ家の前の通りにも大きなニレの木が並んでいました。
ただし通りの名前は散文的な78番通りでした。
 サマーズ家、そして78番通りに並んでいる家は、ほとんど同じスタイルのレンガづく
り二階建ての古い家でした。レンガの色やポーチの形など、ところどころちがっているだ
けで、うっかりすると自分の家がわからなくなるほどです。
 家に入るとそのまままっすぐ居問と台所を突き抜けて、裏庭に面したポーチに案内され
ました。テーブルに着く間もなく、ミルクを大きなグラスになみなみと注いでくれました。
半分も飲めませんでしたが、疲れているだろうから昼寝をするようにと、二階の寝室に案
内されました。その部屋を一年間、スティーブといっしょに使うことになっていたのです。
 小一時間もすると、スティーブの友だちが何人か遊びにきて、近所を案内してくれまし
た。散歩しながら彼らから質問ぜめにあいました。日本にテレビはあるのか、好きな食べ
物はなにか、ガール・フレンドはいるのか、車は運転できるのかといった日本にかんする
こと、私についての質問が主でした。まだ英語が十分にしゃべれなかったので苦労しまし
たが、それでもなんとか答えることができましたし、日常語もいくつか教えてもらいまし
た。あいさつのときの「ハイ」、すばらしいと思ったときに使う「ニート」などです。
 つぎの日からスティーブといっしょにエルムウッド・パーク・ハイ・スクールに通いは
じめました。9月のはじめだというのにジャンパーを着るほどの涼しい日でした。その後
の1年間は、文字通りアメリカの高校生活をエンジョイしました。

            


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